司法試験予備試験論文式を受験して(刑事・選択科目)

お疲れ様です、へるしろです。

昨日に引き続き、論文式試験の感想を述べていこうと思います。

 

 

 

刑事系

 刑事系は、そこまでマイナーな点もなく、他の科目と比べると解きやすい問題であったと言えるのではないかと思います。

 

刑法

 ついさっき解きやすい問題だったと申しましたが、刑法の設問1については監禁罪ということで少しマイナーな点が問われました。短答知識に近い出題と言えるでしょうか。また、昨年に引き続き罪責を論じさせる問題の他に説明問題が出題されました。この出題形式は翌年以降も続くのでしょうか。

 設問2は、甲の罪責を論じさせる問題でした。多くの受験生が苦手とする共犯が出題されなかったので、周りも比較的出来が良いのではないかと、ヒヤヒヤしています。また、遅すぎた構成要件的結果発生の問題がありましたが、これは確か令和元年の問題で同じ論点の出題があったのでこの点でも、周りの受験生の出来は良いものと思われます。

 私は、Xの携帯電話について器物損壊ではなく窃盗罪を成立させました。不法領得の意思を、「経済的用法に従い利用処分する意思」ではなく、「その物から生じる何らかの効用を得ようとする意思」とする立場に立ち、甲は少なくとも携帯電話のGPS機能を用いて捜査を撹乱しようとする意思を有していたため、何らかの効用を得る意思はあると判断したためです。間違ったことを書いたとは思っていませんが窃盗にした受験生は少数派のような印象なのでこの点がどう転ぶかが評価を左右しそうです。

 総合的に、設問1は本当に最低限のことしか書けている自信はない一方で、設問2は論点落としとかはないと思うので(現時点では)B以上の評価を期待したいですが、先に述べたように周りの出来も良さそうなのでなんとも言えませんね。

 

刑事訴訟法

 刑訴法は設問1は逮捕前置主義、設問2は重複逮捕、勾留について論じさせる問題だったと思います。最低限この点には触れているのですが、逮捕前置主義の根拠条文がどうやら間違っているみたいなのでこの点での減点は免れないでしょう。ちなみに、根拠条文は204条1項としました。

 設問1の逮捕前置主義の問題は、逮捕前置が被疑者の利益保護を趣旨とするから、別件が勾留の要件を満たす場合にそれに付加して勾留しても被疑者にとって有利となるため、逮捕全地に反しないとしました。

 設問2は重複逮捕、勾留は原則許されないが、一定の場合には許されるとして規範をたて、順当に当てはめをしていきました。詳しいことは、再現答案を作成しているので後日アップすることになると思います。

 主観的には聞かれていることに素直に答えることができたと思っています。よっぽど書き方がおかしいとかでない限りいい評価をいただけると思うのでA評価を期待したいです。

 

選択科目

 私は労働法選択なのですが、問題を見て労働法にしたことを後悔しました。私にとってはかなり難しく、正直何を書いたかほぼ覚えていません。(再現答案作れるかな、、、)

 

労働法

 設問1は海外研修費用の返還請求が損害賠償の予定に当たらないか、という問題意識のもと会社からの返還請求は認められるかを論じさせる問題でした。問題文の事情のもと、感覚としては返還請求されてもやむを得ないよな、と思ったので返還請求を認める方向で論じました。似たような事案の判例があり、確か百選にも掲載されていたのは覚えているのですが、理論構成がほぼできませんでした。損害賠償の予定の禁止の趣旨が労働者の足止め防止であるということは何とか示して、あとはよく覚えていません。

事例演習労働法も一通りやって、労働法については模試や答練の成績もなかなか悪くなかったので、できればいい評価をとりたかったのですが、損害賠償の予定に関しては本当に知識の穴を突かれた、という感じでした。もっとも、典型論点っちゃ典型論点なので、もっぱら自分の勉強不足が原因です。

 設問2は、設問1よりさらに難しかったのではないでしょうか。とりあえず、G社に対しては労働契約の付随義務としての「働きやすい環境を整える義務」を怠ったとして債務不履行を追及し、A社に対しては均等法11条違反の不法行為責任を書いたと思います。あと、時間がなかったので最後に「また、A社には使用者責任民法715条)を追及することが考えられる」とか書きました。(本当に使用者責任についてはこれしか書いていません)

 正直、予備では難しい話は出ないだろう、とたかを括っていたところはあると思います。全科目の中で労働法が一番書けませんでした。何とかFは免れたいところですが、Fでもやむを得ない出来だとは思います

 

以上で、刑事系、選択科目の感想を終わります。

次は実務基礎になります。近いうちにアップしたいと思います